なかいくんを好きなワケ

先日、フォロワーさんからふと尋ねられた件と

日頃こどもたちからよく訊かれる件と

そしてヲタクではない巷の方々からよく訊かれるこの件。


なかいくんのどこが好きなのか

なかいくんの何に惹かれてファンになったのか



遡れば当時は光GENJIが大ブーム。


ジャニーズが、じゃない。

光GENJIが」ブームだった。社会現象だった。

今の、嵐 とかの「人気」じゃ比にならない。SMAPの「国民的」とかとも全然違う。全然。違ったものだった。

にっちもさっちも光GENJIだった。ローラースケートが売り切れたり世の中の男子の髪型がみんな諸星和己くんのアレだった。ケミカルウォッシュのダボダボのジーンズがやたらと流行った。POSH BOYとかMILK BOYの服が売れていた。わたしも同じ服をやたらと買った。やたらと光GENJIだった。



申し訳なさそうなテロンテロンのサテンで出来たタンクトップと短パンを着て、大して上手くもないスケボーで横切る数十人が、キラキラアイドルの光GENJIの後ろでたどたどしく踊る。ギスギスの痩せっぽち、垢抜けない幼い顔立ち。

そのうちグループ名をつけられて雑誌に載る。


なかいくんはだいたいその真ん中にいつもいた。


真ん中にいるってだけで嫌悪感を覚える。

生意気そうな顔、イラっとさせる丸文字、目立ちたがりなのかハチマキを巻いている。番組で喋る機会があると大抵なかいくんが喋るのだが、やたらとデカい金切声。全くもって空気読めてない。


「諸星くんの真似してるぅ〜」


かなり嫌われていたと思う。

諸星くんファンだったわたしもそれに漏れずなかいくんをキライだった。高校生だった当時のわたし。




光GENJIが好きで、コンサートはもちろん遠征もする。

どの会場に行っても、後輩のSMAPが出た途端に罵声が飛ぶ。帰れコールが止まない。

今では考えられない非常識な行動だろうが、当時はそれもアリだった。自分は一途に光GENJIを好きである自己主張を、そこでそういうふうに表すことを誰も恥だとかマナー違反だとか思う時代ではなかった。止める者などもいなかった。


あるとき、自分たちの真後ろにいた3人がSMAPのファンだった。

大阪城ホールの客席、大勢が座る中で数人程度、本当に両手で数えられるくらいの人数がSMAPファンで、立って応援していた。

わたしの席はスタンド後ろのほうだったが、後ろのSMAPファンのコたちも一生懸命応援していた。このコたちの目の前で罵声を飛ばしていたのかとそれまでの自分を恥じる。申し訳なかったと、そのコたちと話した。

そしてなぜ光GENJIではなくSMAPなのか、とても興味が湧く。

流行ってるもの(光GENJI)ではなく、なぜそこ(SMAP)なのか。


単純にSMAPが好きだからという理由と

光GENJIの「後ろで」頑張ってる姿が好きだという。

後ろもひっくるめてジャニーズだもんね。カッコ悪いわけはないよね。


後ろで頑張ってる姿に注目するって行動に出ることに、時間はかからなかった。

1日2回公演の、多分、次の公演からSMAPを見るようになった。頑張ってる姿って、なんなんだろう?どんなだろう?

SMAPのコーナーのとき、初めて着座せず立って見た。手拍子をして手を振った。


自分たちが応援してあげなくちゃ

このグループも頑張ってほしいな


キラキラの光GENJIとは比べものにならないし、やっぱりカッコよくもない

だけど座ってる客席に向かって、この人たちはどんな気持ちで踊って歌ってるんだろう


頑張ってる姿を見てほしい

ひとりでもファンが増えますように

と言ってる気がした



そのとき同行者とこんな会話をしたのを今でも覚えている。


「ねぇ、SMAPなら誰が好き?」

「わたし、きむらたくや」

「よかった。わたし、なかい」

「えー!わたししんごくん」

次からはSMAPでボード作ってコンサート行こうよ

ってか、なかい大嫌いって言ってなかった??

あのウザいのがいいのかもしんない!!



よくわかんない理由だとしても、

イヤよイヤよも好きのうちとはよく出来たアレだなぁと思う。



19歳の夏、こうしてなかいくんを好きだと言い出して今に至ります。



そして多分、なかいくんを好きな理由がこんなところにある。


同級生だし仲良しで当たり前に振舞っているように見えて、実はすごくきむらたくやに遠慮しているようななかいくんが好き。

水泳大会で丸太にまたがりリーダーを決める対決のときや、

毎年のことで、競泳のアンカーはなかいくんVSきむらくんで

それまでのゲームではちょいと遠慮しているなかいくんが、このふたつの競技では形相が全く違っていた。

絶対に「きむらたくや」に勝ちたい「なかいまさひろ」が本当にカッコよかったし、そしてその勝負に勝つなかいまさひろが本当に本当にカッコよかった。


そして勝っても負けても前髪を吹く。

(多分わたしはヤンキー好き)



勝負に勝つと、きむらくんの機嫌を損ねる。関係が悪くなる。グループの中の雰囲気が悪くなる。

だけど絶対勝ちたい勝負がなかいくんにはあった。

自分がグループをまとめたい。自分がグループのことを1番好きな証がそこにある。

当時からなかいくんはそんな人だった。



わたしのことは嫌いでも

AKBのことはキライにならないでください!!



よく言ったもんだと思う。

先頭を引っ張る、矢面に立つ

グループのためならと

そんな人から出るセリフはとても重い。


なかいくんはまさにそんな人で

センターに立ちたいからではなく

年長者だからでもなく

常にグループがどうあるべきなのか

まずは自分が1番SMAPを好きで

SMAPの顔になり

SMAPのために全てを捧げる。

(いろいろ失敗ももちろんある)


真ん中にいると、何故か嫌われる率も高い。

グループを1番愛して矢面に立っているというのに何故かウザい。

グループの中で1番人気があるのとは違う。

常に先頭にいて、多方面に仕事をしながら、

今、なかいくんというポジションがある。

どんだけでもサンドバッグとして打たれ続けながら、なかいくんはそこに立っている。


時に、その肩の荷が軽くなれば、どんなにか彼はラクになれるだろうと思うことがあるけど

肩の荷が重いこともすっかりライフワークの一部になっていて

並大抵の男じゃなくなってるなかいくんを、少し寂しく見てしまう。


誰よりも尖っていて、でもか弱くて

ひとりぽつんといたなかいくん。

猫背で潔癖症で誰よりも努力していたなかいくん。

変わらないそこが一番の魅力。


SMAPは、

誰一人として、

あのころとなにも変わっちゃいない。


そこがグループの一番の魅力。


あのころを知らない人にも

きっとそこが伝わってるから


いつまでも先頭に立っている。


だからいつまでも

なかいくんを1番好きでいる。


好きな理由なんて、こう長く好きだとよくわかんないなといつも思うんだけど

文章にしてみるのもたまにはいいかもしれない。